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7月 2009

海外ETFの本

タイトルはちょっとアレだが、至極真っ当な本。インデックス連動型の海外ETFを買って、世界経済の成長に参加しよう!というお話。敢えて一文、本書の肝となる主張を抜き出すとしたら、次の文だろうか(258ページ):

長期的にみて、世界経済が発展する限り、市場は全体として右肩上がりになります。

この理屈が理解できなかったせいで、私にとって長らく投資という行為は胡散臭い儲け話と区別がつかなかった。いや、多分今でも心の底では理解できていないと思う。失われた10年に青春を過ごした私(たちの世代)にとって、世の中というのは「短期的な上下を繰り返しながらも、緩やかに下降していく」ものだという認識が染みついているので、株価であれ、何らかの指数であれ、投資信託の基準価格であれ、中長期的に右肩上がりに上昇し続けるというのは、鼻で笑ってしまうような馬鹿げた幻想にしか思えないのだ。……むしろそういう世界観を相対化してみたくて、今の私は投資を行っているのかも知れない。

それで海外ETFだが、実際に買おうと思うと、やはり普通の投資信託よりもいろいろと敷居が高くて躊躇している。特に面倒なのが税金。海外ETFは海外株式と同じ扱いになるため、手数料の安いネット証券では特定口座が利用できない。ならば自分で確定申告を、と考えて調べてみると、これがよく分からない。売買差益が譲渡所得で申告分離課税、為替差益が雑所得で総合課税という基本は簡単なのだが、ここで日本円を米ドルに換えて、ここで○○ドルでETFを買って、ここで××ドル分を売却したとして……というリアルなシナリオに沿って考えていくと、いつどのレートでどういう所得が発生するのか、頭がこんがらがってくる。

他にも、これは本にも書いてあることだが、ETFは最低取引金額がまだ高いし、購入する際の手数料もかかるので、小額ずつ積み立てて行くのには向いていない。やはり当面は普通の投資信託で積み立てていくのが簡単そうだ。本書執筆時点では存在していなかったMSCI エマージング・マーケット・インデックスに連動するインデックスファンドも登場したことだし……。

『実践Common Lisp』読みかけの感想

11章途中まで読んだ。

他言語のプログラマに向けたLisp本。リストがどうしたコンスセルがどうしたという定番の説明をすっ飛ばして、とにかくまずはCommon Lispの凄さを見ろと言わんばかりに、最短距離でマクロの実演に突き進む。その姿勢は正しいと思う。ある程度経験のあるプログラマならリストやコンスセルの基礎くらいは知っているものだし、その上で「Lispって、結局何がどう凄いのかよくワカンネ」という人がこの本のターゲットだろう。

実際途中まで読んだだけでも、マクロの凄さはひしひしと伝わってくる。他言語での経験を振り返って、果たしてプログラムを書くということはどういうことだっただろうかと、改めて考え直してしまうくらい示唆に富んだ内容を含んでいる……。

ところでマクロのイディオムとして、次のように処理の”本体”となるコードを埋め込む形が多用されている。

(defmacro foo (a b &body body)
    `(bar (baz ,@body))

これはRubyのブロックによく似ている。一般にRubyのブロックは無名関数に対するシンタックスシュガーと見なされることが多いのだが、むしろLispのマクロを意識した部分も大きいのかも知れない。

…検索してみるとやはりLispのマクロとRubyのブロックを比較する視点は存在するようだ。Ruby作者のまつもとさん自身も取り上げている: