世界一シンプルな経済入門 経済は損得で理解しろ!

世界一シンプルな経済入門 経済は損得で理解しろ! 日頃の疑問からデフレまでの感想。

飯田泰之先生の経済入門本。発売がなぜかエンターブレインだったり、帯にでかでかと勝間和代さんの写真が載っていたり、外観は良く分からないことになっているが、内容はとてもとても分かりやすかった。

主に3章以降から、特に印象に残った部分をメモ。

  • 不況には2種類あり、また2種類しかない。すなわちスタグフレーションか需要不足型不況である。
  • 経済政策には成長政策、安定化政策、再配分政策の3種類があり、それぞれ目的も効果も異なる。間違った状況で間違った政策をとると効果が出ない
  • 60〜70年代の世界はスタグフレーションに陥っており、「成長政策」こそが必要だったが、「安定化政策」をとってしまった。また90年代以降の日本は需要不足型不況で「安定化政策」が必要なのだが、「成長政策」をとってしまった(小泉改革)。
  • 成長政策は中長期的な潜在GDPの上昇に効果がある。代表的な政策は「民営化」と「規制緩和」。
  • 安定化政策は潜在GDPと実質GDPを安定的に一致させる。経済の安定は中長期的な潜在GDPの上昇にも欠かせない。代表的な政策は「財政政策(公共事業/給付金)」、「金融緩和政策」
  • 再配分政策が必要なのは、セーフティネットを整備して成長のための挑戦をしやすくするため。過剰に再配分をやると逆効果。
  • 2002年から2007年までの「いざなぎ超え」は、それだけの期間回復基調が続いたというだけで、需給ギャップはほとんど埋まっていなかった。成長率そのものも低く、結局のところ需要不足型不況が続いていた。
  • デフレ下では名目金利がどれだけ低くても、実質金利=名目金利-予想インフレ率は高くなり、企業の投資活動は萎縮する。
  • ミクロの視点では正しくとも、それが合成されたマクロの世界では正しくなくなることを「合成の誤謬」という。デフレ下の個人個人の選択は合理的なので責めようがないが、最終的には自分たちの首を絞めることになる。
  • 税収の増加率≒名目GDP成長率<国債の名目利子率 が成り立っている限り、どれだけ無駄を省いたとしても、必ず財政は破綻する。

Amazonのレビューにも書いてあるが、一部で図が間違っている。あと誤植が割と多い。そこだけが気になった。

One Response

  1. [...] 経済学が想定する「合理性」人間とは、しばしば誤解されるような「あらゆる情報を加味して損得計算ができる」ことではなく、せいぜい「自分にとって何が特で何が損かは、自分が一番良く知っている」程度の意味だと、『世界一シンプルな経済入門』にはあった。これは一見無理のない想定に思えるが、しかし本書によれば、現実の人間はその程度の緩い想定すら満たさないほど、合理性とはかけ離れた存在であるらしい。つまり自分で自分が何をどの程度求めているか分からず、様々な要素(相対性や社会規範や一時の感情など)に支配されて容易に不合理な選択をして失敗して、しかもそのことに気がつかない。 [...]

Leave a Reply