16GBモデルで15000円弱。同容量のiPod nanoより2000円ほど安い。その安さに惹かれて購入したのだが、良い意味で驚かされた。それまで使っていた二世代前のiPodに比べて、圧倒的に音が良い。同じイヤホン(MDR-EX90SL)、同じ音源(mp3やAAC)なのに、全く違って聞こえる。さすがに最近のiPodならもう少し差は縮まるのかも知れないが、個人的にはもうiPodに戻ろうとは思わない。
私は初代からのiPodユーザなので、iPodシリーズとはかれこれ8年近い付き合いになる。その間にも、実はiPodの音を疑ったことは何度かあった。曲によってはっきりと不快に感じることすらあった。その度にイヤホンが悪いのか音源が悪いのかと疑い、iPod本体に目を向けることはなかった。iPodに代わる選択肢は事実上存在しない状況だったので、iPodを疑っても仕方がなかったのだ。でもついにはっきりと現実を認識する時が来てしまった。高音の歪みが不快で仕方なかったあの曲を、NW-S645は見事に奏でてくれた。iPodは、音が悪かったのだ……。
回顧はこのくらいにして、少し真面目なレビューを。
曲の転送
NW-S645は「ドラッグ&ドロップ転送」に対応しているので、サポート対象外だがWindows以外でも使える。私の母艦であるMacBook Proに接続すると普通のUSBストレージとして認識された。ボリューム名は「WALKMAN」。中に MUSIC というディレクトリあるので、そこにコピーすればあとは勝手にアーティスト名やアルバム名のデータベースを構築してくれる(コピーしたディレクトリ単位で再生することもできる)。またiTunes Storeから購入した曲(PlusなどDRMがかかっていないもの)を転送すると、アートワークも正常に反映された。しかしiTunes上で後から割り当てたものについては反映されないようだ。
これは私の環境だけかも知れないが、取り外す際にちょっとしたトラブルがあった。Finderの取り外しアイコンをクリックすると一旦は接続解除されるのだが、すぐにまた接続が開始されてしまうのだ。結局「解除した瞬間にUSBケーブルを引っこ抜く」という、なんともいい加減な方法で対処することにした。
操作性
操作性はすこぶる良い。ほとんど何の不満も無い。iPodより使いやすいと思う。というか、これも比較して初めてはっきり認識できたことだが、iPodのタッチホイールによるUIは、別に使いやすくはなかった。例えば曲の再生方法(リピートやシャッフル)を変更したいとき、iPodだといちいちトップメニューまで戻って「設定」から変更する必要があったが、NW-S645は「OPTION」ボタンから即座に変更できる。曲を選ぶ時のカーソルの移動速度はホイールにはかなわないが、左右ボタンでA-Zあ-わ移動ができるので問題ない。全体として、よく考えられた作りになっていると思う。
その他
本体デザインは金属やガラスの質感が美しく、iPod nanoほどエレガントではないものの、とてもカッコいい。液晶も綺麗で見やすい。ACアダプタが別売りなことには面食らったが、そもそもバッテリの持ちが非常に良いのであまり問題にならない(実はiPodのものが流用できそう?)。
追記:音質について
ピアノやヴァイオリンなどの比較的静かな曲だとそのままでも素晴らしい音が出るのだが、JPOPなどの賑やかな曲だとボーカルが埋没してしまって、ひどくアンバランスに聞こえることがある。そういうときはイコライザを「ポップス」あたりに変更してやれば、見違えるような(聞き違えるような?)音になる。イコライザもOPTIONボタンから簡単に切り替えられるので、いろいろ試してみると面白い。